2014年7月8日火曜日

第11回 論文輪読(その2)

EHRに関係する過誤、EHR文書の質や有用性に与えるそれらの影響(実際のあるいは潜在的な)、診療の質、患者安全が長年文書化されてきたが、こ れらの過誤を測定し、原因を究明し、解決策を実行に移すにはまだ多くの研究が必要である。現在、EHRシステムの有効性や安全性を評価する規制上の要件は ない。EHRの認可はEHRが計画通りに実装されて作動するということを保証しない。適切なEHRシステムの利用に対するポリシー、操作性の原理、そして 最善の実践がずっと広く一貫して採用されてこなかった。製品の機能に対する開発者と利用者の間に共有された説明責任というものがなかった。EHRに関連す る不都合な結果は、これまで体系的にそして一貫性のあるやり方で追跡されることはなかった。

EHR Risks Adversely Impacting Information Integrity

HITの導入は、記録される データの品質の向上をもたらすというよりも、むしろ質の悪いデータを大量に記録するという事態を招いたと思われる。この論文に引用した研究のいくつかは数 年前のものであるが、最近の文献も依然としてこれらの文献を引用し続けている。EHR導入の主な目的は医療過誤の減少であるが、EHR導入に直接関係した 新しいタイプの医療過誤に関する報告が表れてきている。そして、それらは、診療の質(quality of care)や患者安全(patient safety)を危うくしている。たとえば、主治医のEHRシステムが、子宮がん検査の結果について、最新の異常値ではなく、古い正常値がデフォルトとし て設定されていたため、ある患者のがん治療が数年も遅れた。別のケースでは、手書きのオーダがコンピュータシステムに入力されたとき、転記ミスがあったた め、大量の薬品が投与され、赤ちゃんが死んだ。この医療過誤は、もし自動警報の設定が行われていたなら回避されたはずである。
EHRシステムの安全性を監視する規制の枠組みがないため、これらのシステム(EHRシステム)は
  • これまで間違った不完全な設計仕様で開発されてきた
  • 信頼できないハードウェアやソフトウェアのプラットフォームに依存してきた
  • プログラムのエラーやバグがある
  • ある状況や組織ではうまく動くが、別の状況や組織では安全ではないか失敗する
  • 医師がどのように毎日の仕事をこなすかを変え、そのため新しい形態の障害を引き起こす可能性が生まれた
EHRシステムに早く慣れないといけないというプレッシャーと共に(これはHITECH法によってつくられたインセンティブの結果)、臨 床家がEHRを使ってする仕事の範囲や複雑さが増すと、 EHRに関係した患者の安全性に対する危険の原因が増える。他のコンピュータシステムや医療従事者のワークフローとの相互作用がシステムの動作に大きな影 響を与える複雑な医療環境では、利用者にとって潜在的な問題を予測したり、ある特定の故障がどのように発生するかを理解することはチャレンジング(能力が 試される)である。まt、ひとたび提供者がシステム導入に資金を投資したら、たとえ欠陥を見つけても、彼らはシステムの取り換えによって高価な費用を被る よりも、システムを維持し続けようとするであろう。
少なくとも10年間は、電子的に捕捉された臨床文書の品質悪化に関する大量の情報が吐き 出されるであろう。たとえば、不注意に、あるいは繰り返しコピー&ペーストされたテキストや古くなったり間違いを含んだ情報が広まるといった。しかしなが ら、現在までの研究は範囲が限定されている。EHRに関係した過誤の業界全体のインシデントやこれらの過誤の結果生じた不都合な臨床事例を究明するために 全くと言っていいほど包括的な研究はなされていない。さらに問題を複雑にすることに、電子診療記録の質に関する合意がないだけでなく、EHRの文脈で 「データの品質」が何を意味しているかについての意見の一致すらない。さらに、EHRに関連する過誤を定義し、測定し、解析する明確な標準すらない。
文献に定義されたEHRのリスクのタイプをこの節の残った部分に記載する

0 件のコメント:

コメントを投稿