2014年7月1日火曜日

第10回 論文輪読(第1回目)

今日から論文の輪読を始める。

Sue Bowman, MJ, RHIA, CCS, FAHIMA; Impact of Electronic Health Record Systems on Information Integrity: Quality and Safety Implications, Perspect Health Inf Manag. 2013 Fall; 10(Fall): 1c.

Abstract

EHRを採用すると、よりよいケアや医療費削減など相当な恩恵が期待されていたが、これらのシステムを導入することによって、深刻な、予期せぬ結果が表れてきた。貧弱なEHRのシステムデザインや不適切な利用によってEHRに関連するエラーが引き起こされ、それがEHR内の情報の完全性を危うくし、その結果、患者安全を危険に晒したり診療の質を下げることになる。これらの予期せぬ結果はまた悪用や不正利用を増加させるかもしれず、深刻な法的な影響をもたらしうる。この文献レビューは、EHRシステムを利用することによって生じる予期せぬ結果が診療の質に与える影響を調べ、EHRに関連するエラーを解決する方法を提案する。このEHRのリスクに関する文献の解析は、これらのリスクの広がり、患者のケアに対する質や安全性に対するその影響、それらを減少させる戦略についてのさらなる研究を促進するものとして役立つことを意図している。

Introduction

 米国の医療費は他国を大幅に上回っているにもかかわらず、医療制度は高品質な医療をきちんと提供することができないでいる。連続性のある(across the continuum)医療の質は、健康情報の完全性、信頼性、正確さに依存している。EHRなど健康情報技術(HIT)を採用するのは、現在の米国の健康制度をより効率的で、より安全で、一貫して高品質な医療を提供するように変換するにあたって必須である。(この論文では、HITという単語とEHRという単語は可換として使っており、電子処方や臨床意思決定を含んでいる)

HITを採用したものの、思い描いていた恩恵や医療費の削減は失敗した。これは、HITシステムの安全かつ有効利用に加えてデザイン(設計)や実装の欠点に原因がある。EHRは医療の質や患者安全を改良するという目論見があったが、大量のエビデンスによってEHRの利用に伴う安全面での危険性が見いだされた。そして、それは時としてe医原病と呼ばれた。EHRに関連するエラーが出現したことで、データが失われたり不正に入力されたり、表示されたり、転送されたりして、結果的に情報の完全性が失われることになる。HITに関連するリスクの大きさを定量化したエビデンスはほとんど出版されていないけえども、HIT製品がますます密接に診療の提供に関係してくるにつれて、HITによって引き起こされる医療過誤、危害、死はますます増えてきている。

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